中東・北アフリカ地域の都市と都市計画史

講座概要

 中東・北アフリカ地域には、数千年の歴史を持つ多くの都市が存在します。この講座では、モロッコ、アルジェリア、レバノン、シリアを中心に、主な歴史都市の成り立ちを紹介したうえで、20世紀以降の都市計画やまちづくりの流れについて解説します。フランス植民都市計画や世界遺産運動、日本を含む国際協力の歴史を、講師自身が現地で撮影してきた映像資料や、「中東都市多層ベースマップシステム」に蓄積された古地図等をふんだんに用いて学び、現代における都市と人々の関わりのありかたについて考えます。

講座詳細

【講師】
松原 康介(筑波大学システム情報系准教授)
【期間】
2月14日、2月21日、3月14日、3月28日、4月4日、4月10日 金曜日他 18:00〜20:00
【回数】
全6回
【受講料】
計15,000円(税込)
【対象】
中東・北アフリカ地域の都市や歴史にご関心がある方
【教材】
講座内でご紹介します(参考書:松原康介『モロッコの歴史都市 フェスの保全と近代化』学芸出版社、2008)
【講座コード】
40202
【内容】

第1回 「フェスの保全と近代化」
モロッコの旧都フェスを事例として、歴史的に形成された旧市街、フランス植民都市計画に基づく新市街、CIAMの理念に基づく郊外地、独立後の国際協力といった、基本的な事項を通時的に学び、「中東・北アフリカ地域の都市計画史」に関わる概念構築をおこないます。

第2回 「アルジェの多文化共生」
最初に、地域で活動した日本人、番匠谷尭二の青年時代の日本およびフランスにおける活動を紹介します。続いて、フランスの植民地アルジェリアの首都アルジェにおける、植民都市計画の歴史と、独立期に実施された多文化共生型都市計画について、番匠谷の実践を通してみていきます。

第3回 「ベイルートの戦災復興」
数度にわたる戦災復興の経験をもつベイルートについて、中東都市多層ベースマップシステムで19世紀以降の古地図や都市計画図を読み取りながら、イスラーム的な市街地、フランスによる放射状道路の構築、そして現代の戦災復興都市計画による変容について論じます。

第4回 「ダマスカス旧市街の再構築」
ギリシア・ローマ時代に形成されたグリッド状(碁盤目状)の街路が、イスラームによる征服以降、徐々に稠密化していく旧市街の変容プロセスと、これをモダニズムの立場から再構築しようと試みた、エコシャールと番匠谷の計画と、その評価を巡る論争を紹介し、都市の保全と開発の両立のありかたについて議論を深めます。

第5回 「アレッポの都市保全」
商業都市アレッポの、スーク(市場)を中心とする旧市街の成り立ちについて講じた後、番匠谷最後の大規模業務となった都市計画を紹介すします。モダニズムから文化遺産の保護へと変わりゆく時代の中で、どのような人為的介入が可能であったのか、議論を深めます。

第6回 「現代の国際協力と都市計画」
今日、都市計画や歴史都市の保全は、様々な主体による国際協力として行われています。事例として、講師自身が携わったダマスカスの事例を紹介し、これまでの各回でみてきた歴史もふまえて、都市の保全と近代化のあり方について考えます。

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