西洋と纏足

こんにちは、MAパクチーです。

すっかり日が長くなり、春の足音が聞こえるようになってきましたね。

現在好評開催中の大清帝国展完全版では、見学者様に特に「纏足」の展示を興味を持って見て頂けているようです。
そこで、本日は纏足について、皆様の興味を十分に満たすために、いくつかの本と共にご紹介していこうと思います。

さて、纏足とは、一体どんなものでしょうか?

この纏足については、

岡本隆三『纏足物語』(東方選書、東方書店、1986年)
に詳しくまとめられています。

纏足は「小さな足の女性は美しい」という、中国の文化的な考えから来る風習で、
唐代の末期から始まったと言われています(基本的には漢民族の風習です)。
美しさを競う妓女の中には、その小さな足で手のひらほどの大きさの台で華麗に踊った
という話も伝わっています。
そんな纏足ですが、みながみな足が小さいわけではありませんので、幼い少女の足を布で縛り、
小さく小さく変形させます。踵と足の裏の骨が折れ曲がるような形になり固定されます。
纏足の靴はどれを見ても美しい装飾がほどこされています。
その装飾の美しさや、小さな足で不安定に歩くそのしぐさを男性たちは楽しんだのだそう。
(また、夜の生活にもいい影響があったらしいですよ…)


さて、この纏足ですが、清代末期には廃止されていきます。
廃止された背景には、清朝が積極的に取り入れた西洋の文化と、一人の英国人女性の活躍があります。これについては、

東田雅博著『纏足の発見』(アジアブックス059、大修館書店、2004年)
に詳しくまとめられています。

当時、西洋ではシノワズリと呼ばれる東洋文化の人気、女性の社会への進出が行われており、
「東洋の女性文化」に対する関心がやや高まっていた時期でもあります。
(当時の西洋の東洋文化に関する関心は色々なジャンルに及んでいます。そちらはここでは言及しません)。
そんな中、「発見」された纏足は、「不自然な習慣」(ジョージ・マッカートニー『中国訪問使節日記』より)と捉えられていたようです。
この「不自然な習慣」である纏足は、イギリスのリトル夫人による反纏足運動がおこり、廃止へと向かっていきます。

今回の展示では、纏足の靴が四足展示されています。
あまり展示されているのを見かけません。
その大きさと、華麗な刺繍を是非じっくりご覧ください。

上記で岡本・東田両氏の著書をご紹介しましたが、他にもいくつか皆さまの興味を刺激、もしくは満たす本をご紹介しておきます。

・岡本隆三『纏足物語』(東方選書、東方書店、1986年)
・桑原隲蔵『東洋文明史論』(東洋文庫、平凡社、1988年)
・東田雅博『纏足の発見-ある英国女性と清末の中国』(あじあブックス059、大修館書店、2004年)
・ドロシー・コウ著、小野和子・小野啓子訳『纏足の靴-小さな足の文化史』(平凡社、2005年)
・高洪興 著、鈴木博訳『図説 纏足の歴史』(原書房、2009年)

大清帝国展完全版では、その名の通り、前回展の「大清帝国展」の内容(展示はありません)をおさらいしつつ、
今回の展示のメインである清朝中期~末期までの政治・外交・文化などを書籍を中心に、
展示協力の先生方の所蔵の名品を展示しています。
個人臓の品々を見ることも機会としては少ないと思います。 期間中の早い時期の午前中がゆっくり見られるのでお勧めです。

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