こんにちは、散歩が趣味のMAはるまきです。
お盆も近づき、お勤めの方はお休みが待ち遠しいころかと。
遠くにお住まいで普段はなかなか来館できないという方も、この機会を利用してぜひ東洋文庫へおいで下さい!

さて、はるまきは先日夏季休暇を利用して大阪・京都へ旅行に行ってきました。
つい先日世界遺産に登録された百舌鳥・古市古墳群をはじめ、史跡や博物館をいくつか回ってきました。
3日間の総歩数、なんと6万歩以上!!!
お散歩好きのはるまきと言えど、さすがにちょっと疲れました…。

色々と回ったなかで、面白かったのが西本願寺隣の龍谷大学ミュージアム。
龍谷大学は本願寺の僧侶を教育する「学寮」に端を発しているそうです。
そのため、ミュージアムの所蔵品も多くが仏教に関わる資料で、展示を通して仏教の歴史をまるごと学ぶことができるお得な博物館となっています!

面白いのは、所蔵品の中には仏教とは全く関係ない(ように思える)資料が多く含まれていること。
なんと当館も所蔵する《解体新書》が展示されていました。
当時の仏教界では、自然科学邸な知識と従来の仏教的世界観をどのように融合させるかが大きな関心事となっていたようです。
そのために、仏教界を背負って立つリーダーたちは、仏教に全く関係がないように思える世界地図から天体模型まで、あらゆる文物を集めたとか。

さらに東洋文庫とのご縁を感じさせるのは、大谷探検隊による収集資料です。
浄土真宗本願寺派第22世法主(最高指導者)であった大谷光瑞は、明治後期~大正初期にかけてシルクロードへと探検隊を送り込みました。
その成果は膨大なもので、多くの貴重な遺物・仏像などを日本へと持ち帰りました。
それらの資料は現在でも仏教史やシルクロード交流史を研究する上で欠かせないものとなっています。
展示室でトルファンや楼蘭で発見された8世紀(日本で言えば奈良時代!)の絵画や文献資料を見た時には、それらが現代まで伝わっているという奇跡に感動してしまいました!
ちなみに、東洋文庫では大谷光瑞が著した書籍も所蔵しています。

さて、この時期の僧侶かつ探検家として光瑞と並んで著名なのが河口慧海です。
そう!東洋文庫で関係資料が展示されていますね!!
河口慧海は黄檗宗の僧侶で、日本人としてはじめてチベットを訪れた人物です。
東洋文庫が所蔵する資料はその際に日本へと持ち帰られたものです。
現在、2階の第一展示室では河口がダライ・ラマ13世から贈られた《写本チベット大蔵経》を展示中です。

大谷光瑞と河口慧海に共通するのは、純粋な学術的関心から海外調査を行ったことです。
近代には多くの学者たち(考古学・地理学・人類学・民族学・言語学などなど)によって多くの海外学術調査が行われましたが、その真の目的はその成果を植民地支配に役立てることでした。
このような意味で、ふたりの調査は特殊なものであると言えるでしょう。

コレクションの性格も何だか近い東洋文庫ミュージアムと龍谷大学ミュージアム、いつかコラボ展示が実現する日が来るかも…なんて思ってしまいました。

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