ソファで世界旅行

みなさまいかがお過ごしでしょうか。ねたろうは最近の一日の寒暖の差に全く老体がついていけず、風邪ぎみであります。お仕事なんかしないで、お家で映画でも見ながらゆっくりしたい~!


そうそう、映画といえば、昨日カンヌ国際映画祭の授賞式がありましたね!今回パルムドールととったのは『Winter Sleep』という作品だそうですが、これはトルコを舞台としていて、ヌリ・ビルゲ・ジェイランというトルコ人の監督がお撮りになったのだそうです。アナトリアの山の中にあるホテルを経営する家族の人間関係を描いた作品だそうで、3時間にも及ぶ超大作。でも見飽きないんだそうですよ。ねたろうも見たいなあ。

また、男優賞は『ハリー・ポッター』シリーズや『ラスト・サムライ』にも出演したティモシー・スポールさん。今回はイギリスの有名な風景画家の人生を描いた『Mr. Turner』という作品での授賞です。


ターナーといえば、自然と想い出すのはこの句。

「誰かターナーの金枝の絵を知らぬ者があろうか。」

J.フレーザーの『金枝篇』の書き出しです。この著作は世界中の神話を比較研究したもので、当時アジアへの関心が高かった19世紀末~20世紀初めのイギリスで人気を博したのだそうです。冒頭のこの句から、ターナーの『金枝』の絵の美しい風景に隠されたおぞましい秘密が解き明かされていきます。

フレーザーは自分の足では神話の収集をしませんでしたが、彼の研究が可能になったのは、当時すでに宣教師や冒険家、植民者たちが記録した膨大な資料があったからでした。そう、東洋文庫のモリソン書庫のようなものですね!モリソン書庫に入ると、あまりにも多くの本たちに圧倒されて書棚が風景と化しますが、一つ一つタイトルと見ると、日本を含めアジアの広い地域についての記録であることがわかります。



ここらへんは日本。



ここはインドです。周囲に仏教関係も並んでいます。ヨーロッパの言語・思想の源泉である可能性が示唆され、にわかに憧れの的となりました。



ペルシャ。最も古い思想の源泉の一つと考えられており、関心の高い地域の1つでした。



フィリピン。フィリピンは数十巻にわたる膨大な資料が揃っています。



なんとシベリアもある。極寒の地に何を求めに行ったのでしょう。

『金枝篇』を読んでいるとあまりにも広範囲の民族の話が沢山出てきて、肘掛け椅子(ねたろうの家にはありませんよ)に座りながらちょっとした小旅行をしている気分に浸れますが、モリソン書庫のタイトルを眺めてみたら、中央のソファに座りながら同じ気分にひたれるかもしれません。

当時のヨーロッパ以外の世界への探究心を感じ、また『Winter Sleep』の舞台となったトルコの雰囲気を味わいつつ、滝のように落ちる鼻水に悩まされながら仕事に戻るねたろうでした。

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