「美人」とはなんぞや?!

「美人」と言えば誰?

と聞かれたら、皆様はどなたを思い浮かべますか?

最近人気の方で言うと、北川景子さん、佐々木希さん、新垣結衣さん、などを思い浮かべる方もいるかもしれませんね。

私の中の「美人」はやっぱり吉永小百合さん!!!
美人、というより可愛い、という感じかもしれませんが(*´艸`*)
今もとてもお美しい…♡


時代が変われば、美人の定義も変わります。
その時々の「流行りの顔」がありますもんね。

例えば平安時代は「引き目かぎ鼻」が美人の条件でした。
では江戸時代では???

文筆家、漫画家、そして江戸風俗研究家でもある杉浦日向子さんの著書、
『一日江戸人』を参考に、現在東洋文庫ミュージアムで展示している
多色摺りの浮世絵を見ながら、
江戸時代の「美人」の変遷を見てみましょう!!



①春信型美人
明和2年(1765)頃に登場するのが、このタイプです。
当時人気の浮世絵師・鈴木春信が描く美人さん達の特徴は、その華奢な体つき。
抱きしめたら折れてしまいそうな程ほっそりしています!肩もなで肩で可愛い(*^_^*)
そしてお顔には幼さが残っています。澄んだ瞳はどこか夢の国を見ているようです。
まさに清純派アイドル!ですね☆


鈴木春信《やつし費長房》※現在展示中です。


鈴木春信《柿の実取り》※こちらは現在展示しておりません。


鈴木春信《鈴木春信春画貼込帖》※現在展示中です。こちらは春画なので、全貌はミュージアムにてご確認下さい!


②清長型美人
春信型から20年後、天明4年(1784)頃に登場するのがこのタイプ。
9頭身から10頭身のスーパーモデル体型!
だからと言って細すぎず、太すぎず、とても健康的なプロポーションです。
春信タイプのような夢見る少女な美人さんとは打って変わって、
眉が濃くなり、切れ長の目と愛嬌溢れる口元が特徴です。
チャキチャキした明るい女性が「美人」とされていたようですね。


鳥居清長《美南見十二候 九月 漁火》
※こちらは東洋文庫ミュージアムでは所蔵しておりません。現在展示している鳥居清長作品では、スラリとしたプロポーションが確認しづらいため、千葉美術館所蔵のものを例として挙げさせて頂いております。


③歌麿型美人
清長型から10年後、寛政5年(1793年)頃になると登場するのがこのタイプ!
8頭身で肉付きが良い美人さん!8頭身も十分スタイル抜群ですよね!
グラマラスで、お胸が豊満なのもこのタイプ。
グラビアアイドルっぽいのかもしれません(ノ´∀`*)ふふふ。
歌麿が描いた美人の中で最も有名なのが、浅草寺茶屋の難波おきた、両国のせんべい屋の娘・高島おひさ、芸者の富本豊雛で、
この3人を『寛政三美人』と言います。
今で言うところの「会いに行けるアイドル!」みたいな感じでしょうか。


喜多川歌麿《高島おひさ》※こちらは現在展示しておりません。


喜多川歌麿《錦織歌麿形新模様 うちかけ》※現在展示しております。


④英泉型美人
そして、歌麿型から30年後、文政7年(1824)頃になると登場するのがこのタイプ!
6頭身で、猫背、くびれのないウエスト、ヒップラインは下がり、足はムックリしています。
首も短く、お胸は小さい…。お、おや?今までの美人と様子が違う…。
お顔に関しても、キッと釣り上がった小さな目、口も受け口で、
そしてなんだか不健康そう…。
女性に求める理想や幻想を排除した感じですね!ある意味リアル!
でもリアルだからこその生々しい美しさと色気があるのです。不思議。




渓斎英泉《岡場所風俗図志》※現在展示しております。



さて、皆様はどの「美人」がお好きですか???


東洋文庫ミュージアムでは、

「初期の浮世絵(17世紀後半~18世紀前半)」
「浮世絵のフルカラー印刷の技術が確立した18世紀後半」
「浮世絵の黄金期(18世紀後半~19世紀前半)」
「幕末の浮世絵」

というように、年代順に展示をしておりますので、
是非、お好みの美人さんを探してみて下さい!



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