皆さまこんにちは。
皆さまはお肉は好きですか?
わたしは言うまでもなく大好きです。
------
先日ムラさんと話していた時のことでした。
「最近、牛脂食べてるんだ」
ムラさんがそう言いました。
私は耳を疑いました。なぜなら、私にとって牛脂はすきやきをする時に、
スーパーで無料で貰って油の代わりに鍋にしくものだったからです。
それを食べるなんてことは思ったこともありませんでした。
無料でもらえる牛脂を食べているということはよほどの生活難なのでは・・・と
心配になりました。
しかしどうやらムラさんは生活に困窮して仕方なく食べているのではなくて、
自らすすんで、好んで食べているようでした。
コイツやべぇな・・・と思いつつ、クイーンオブお肉の称号を縦にする私にとって
それはまったく興味のわかないことではありませんでした。
ムラさん曰く、「チェーンのスーパーとかで置いてあるやつは加工品だからおいしくない。
おいしいのは精肉店でもらえる、加工なしのホンモノの牛脂」ということでした。
それなら私もちょっと試してみたいかも、と思いましたが
私の家の近くにはそんな昔ながらの精肉店はありません。
「ふ~ん、そうなんだ。精肉店のやつならちょっと食べてみたいかもね」などと言いつつ、
まず食べることはないだろうと思ってその日は終わりました。
その翌週、東洋文庫での勤務を終えて、控室で着替えていた時のことです。
ふと、ロッカー室内の棚をみるとムラさんからの手紙がありました。
「例のブツを冷凍庫に入れておいた。一日一個までがお姉さんとの約束だ」
もしかして・・・!!?と思い、疲れた身体に鞭を打って給湯室にある
冷凍庫を大急ぎで開けると、ビニール袋に入れられた白い、サイコロステーキ1個分ほどの
大きさの牛脂がそこには鎮座していたのです。
興味はあると言っても、本当に食べることになるとは思わなかった私ですが、
未知なる食材との出会いに心はずませ帰路につきました。
さすがに牛脂ひとつに白いご飯では、おかずが脆弱すぎるので、近くのカレー屋さんで
インドカレーを食べました。その後、デザートとして牛脂を食べようと思ったのです。
すでにカレーでもたれ気味の胃をなんとか励まして、帰宅後、調理を開始しました。
(↑2つに切って焼かれる牛脂。たったこれだけの量なのに、焼きあがった後
髪の毛と服がめちゃくちゃ肉くさくなりました。それがホンモノの証。)
牛脂は焼くと、どんとんとしぼんでいきました。ちょうどいい焼き加減も
聞いておくべきだったと後悔しつつ、まあこんなもんかというところで火からおろしました。
マットな質感だった牛脂は、火に熱せられて、夕方くらいの私のTゾーンくらいテラテラと光っていました。
ムラさんは焼肉のタレで食うのが至高、と言っていたのですが、
残念ながらタレがなかったので、素材そのものの味を味わうためにもシンプルに塩コショウでいただく
ことにしました。
箸で挟むとブニブニとした感触がして、「あぁ脂肪なんだな・・・」ということを改めて
認識させられます。私の体も◯◯%このブニブニで占められているのかと思うと少しゾッとしました。
これを食べ終わったらダイエットしよう・・・などと考えつつ、口に放り込むと
噛んだ瞬間、ジュンッジュワァァァァア~~~~と油の洪水。
「なんだこれは・・・う、うまい・・・!!!」
思わず唸ってしまいました。確かに脂なのですが、加工品でないからか、
同時に甘みと牛の旨味も口の中ではじけ、その後スーッと消えてしまうのです。
ダイエットしようという決意も忘れ、もう私は牛脂の虜になってしまったのです。
「牛脂・・・うう・・・牛脂・・・」と白目を剥きながら、空になったお皿をナメナメしていました。
ふと、ムラさんの手紙にあった「牛脂は一日ひとつまで」という言葉が、思い出されました。
ムラさんは、私が牛脂に魅せられてしまうことを予知して、このような言葉を残したのだし、
また一欠片しか牛脂を渡さなかったのだ・・・とムラさんの深淵な思考に驚かされると同時に
牛脂を食べていることに対して、イカれていると思ったことに心から懺悔しました。
私はムラさんと同じ牛脂教に改宗することにしたのです。
---------
牛肉はやっぱりA5ランク以上じゃないと食べられないわよね♪と思っているそこのあなた。
それは誤りです。タダで貰えて、かつ美味しく幸福になれる牛脂が、
あなたのすぐそこにあるのです。
もちろん高い牛肉は美味しい。それは確かなことです。 しかし、確かな、ホンモノの牛が、そこにも存在するのです。
見よ、わたしは世の終わりまで、いつも牛脂と共にいるのである。
--「イモノによる福肉書」第29章より--
皆さまはお肉は好きですか?
わたしは言うまでもなく大好きです。
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先日ムラさんと話していた時のことでした。
「最近、牛脂食べてるんだ」
ムラさんがそう言いました。
私は耳を疑いました。なぜなら、私にとって牛脂はすきやきをする時に、
スーパーで無料で貰って油の代わりに鍋にしくものだったからです。
それを食べるなんてことは思ったこともありませんでした。
無料でもらえる牛脂を食べているということはよほどの生活難なのでは・・・と
心配になりました。
しかしどうやらムラさんは生活に困窮して仕方なく食べているのではなくて、
自らすすんで、好んで食べているようでした。
コイツやべぇな・・・と思いつつ、クイーンオブお肉の称号を縦にする私にとって
それはまったく興味のわかないことではありませんでした。
ムラさん曰く、「チェーンのスーパーとかで置いてあるやつは加工品だからおいしくない。
おいしいのは精肉店でもらえる、加工なしのホンモノの牛脂」ということでした。
それなら私もちょっと試してみたいかも、と思いましたが
私の家の近くにはそんな昔ながらの精肉店はありません。
「ふ~ん、そうなんだ。精肉店のやつならちょっと食べてみたいかもね」などと言いつつ、
まず食べることはないだろうと思ってその日は終わりました。
その翌週、東洋文庫での勤務を終えて、控室で着替えていた時のことです。
ふと、ロッカー室内の棚をみるとムラさんからの手紙がありました。
「例のブツを冷凍庫に入れておいた。一日一個までがお姉さんとの約束だ」
もしかして・・・!!?と思い、疲れた身体に鞭を打って給湯室にある
冷凍庫を大急ぎで開けると、ビニール袋に入れられた白い、サイコロステーキ1個分ほどの
大きさの牛脂がそこには鎮座していたのです。
興味はあると言っても、本当に食べることになるとは思わなかった私ですが、
未知なる食材との出会いに心はずませ帰路につきました。
さすがに牛脂ひとつに白いご飯では、おかずが脆弱すぎるので、近くのカレー屋さんで
インドカレーを食べました。その後、デザートとして牛脂を食べようと思ったのです。
すでにカレーでもたれ気味の胃をなんとか励まして、帰宅後、調理を開始しました。
(↑2つに切って焼かれる牛脂。たったこれだけの量なのに、焼きあがった後
髪の毛と服がめちゃくちゃ肉くさくなりました。それがホンモノの証。)
牛脂は焼くと、どんとんとしぼんでいきました。ちょうどいい焼き加減も
聞いておくべきだったと後悔しつつ、まあこんなもんかというところで火からおろしました。
マットな質感だった牛脂は、火に熱せられて、夕方くらいの私のTゾーンくらいテラテラと光っていました。
ムラさんは焼肉のタレで食うのが至高、と言っていたのですが、
残念ながらタレがなかったので、素材そのものの味を味わうためにもシンプルに塩コショウでいただく
ことにしました。
箸で挟むとブニブニとした感触がして、「あぁ脂肪なんだな・・・」ということを改めて
認識させられます。私の体も◯◯%このブニブニで占められているのかと思うと少しゾッとしました。
これを食べ終わったらダイエットしよう・・・などと考えつつ、口に放り込むと
噛んだ瞬間、ジュンッジュワァァァァア~~~~と油の洪水。
「なんだこれは・・・う、うまい・・・!!!」
思わず唸ってしまいました。確かに脂なのですが、加工品でないからか、
同時に甘みと牛の旨味も口の中ではじけ、その後スーッと消えてしまうのです。
ダイエットしようという決意も忘れ、もう私は牛脂の虜になってしまったのです。
「牛脂・・・うう・・・牛脂・・・」と白目を剥きながら、空になったお皿をナメナメしていました。
ふと、ムラさんの手紙にあった「牛脂は一日ひとつまで」という言葉が、思い出されました。
ムラさんは、私が牛脂に魅せられてしまうことを予知して、このような言葉を残したのだし、
また一欠片しか牛脂を渡さなかったのだ・・・とムラさんの深淵な思考に驚かされると同時に
牛脂を食べていることに対して、イカれていると思ったことに心から懺悔しました。
私はムラさんと同じ牛脂教に改宗することにしたのです。
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牛肉はやっぱりA5ランク以上じゃないと食べられないわよね♪と思っているそこのあなた。
それは誤りです。タダで貰えて、かつ美味しく幸福になれる牛脂が、
あなたのすぐそこにあるのです。
もちろん高い牛肉は美味しい。それは確かなことです。 しかし、確かな、ホンモノの牛が、そこにも存在するのです。
見よ、わたしは世の終わりまで、いつも牛脂と共にいるのである。
--「イモノによる福肉書」第29章より--