四庫全書のおはなし♪

皆さまこんにちは。暑いのやら、寒いのやらのここ最近ですが、いかがお過ごしでしょうか。
本日は、四庫全書についてのおはなしです。東洋文庫のモリソン書庫で常時ご覧いただけますのは、四庫全書の存目です。存目(そんもく)とは、目録には載せられたものの、本文を収録しなかった書物のことです。当館では、その存目の複製を所蔵しており、常時展示しております。

清の乾隆帝の命令により、中国全土に伝わるあらゆる書物を収集・整理して1,782年に完成した世界最大の書物です。それ以前は、明朝の永楽帝が編纂した百科事典『永楽大典』が1万一千冊で世界最大でしたが、四庫全書はそれを上回る3万6千冊が1セットとなっています。
中国では、7世紀頃より書物を経(儒教の経典など)、史(歴史・政治・経済・地理など)、子(思想・宗教・天文・医術・薬学・技術書・百科事典など)、集(文学・文芸批評)の4つに分類していました。四庫全書の四庫とはここからきているんですね。
四庫全書は現在台北故宮が一部を所蔵し、展示されることもあります。実物を目にしてまず驚くのがその装丁の綺麗な色です。4つの書物の分類によって色分けされているのです。経は緑、史は赤、子は青、集は灰色という色分けになっています。制作当時の鮮やかな色がそのまま保たれているそうです。
四庫全書は、乾隆帝の「世界中の書を集めよ」という命令により4千人にのぼる人々によって書かれました。まるで活字のようなそのおびただしい数の文字は、とても手書きには、ましてや4千人の人が書いたとはとても信じがたい美しさです。

モリソン書庫では、四庫全書にまつわる豆知識もご紹介しています。是非ご覧ください。

長くなってしまいましたが、今日はここらへんで失礼いたします。
MAウメ

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