皆さまにもお裾分け♡

今朝、嵯峨本についてのお問い合わせを頂きました!!一人でも多くの方に嵯峨本を知って頂きたい( *´艸`)、ということで、本日は嵯峨本についてお話ししたいと思います。


嵯峨本というのは、江戸時代のはじめに京都の嵯峨の豪商 角倉素案が出資・企画・出版した本ですが、これらは売られたのではなく、身分の高い人たちに贈呈されたと考えられています。


嵯峨本の大きな特徴は、
1.印刷なのに、まるで筆で手書きしたように美しい文字であること
2.キラキラと輝く絵の具を使って、上質な色紙に絵や文様を印刷していること
3.料紙の色が一枚ずつ変えられていること
4.下絵が描かれていること



   

   

どうでしょう!ため息が出るほど、細部にまでこだわったお作りでしょう??




当時の最高の技術と贅沢の限りをつくして、手書きの本を越える「究極に美しい印刷本」というわけです(*´艸`*)(*´艸`*)
しかし、コストと手間が非常に掛かったため、約10年と短い期間でしか制作されませんでした。ですので、幻本とも言えます。




東洋文庫が所蔵している嵯峨本のうち、今回は『伊勢物語』を公開しています!
嵯峨本の中でも、最初に刊行されたのが、この『伊勢物語』なんですよ。
本文は木活字を用いて印刷されましたが、
木製の活字は欠けやすく、一度に少量の部数しか印刷できません。
また、印刷後は活字をバラバラにして再利用するため、増刷する時はもう一度最初から活字を組み直す必要があります。
木の活字は形がまちまちだったので、同じ版をもう一度作ることは不可能。。。


以上のような事情から、嵯峨本の『伊勢物語』には多数の版があります!!

ちなみに、公開しているものは1608年刊で、最も古いもの版です。
こちらには、上下2巻合わせて49枚の挿絵が含まれていて、手書きで緑色や朱色の彩色が加えられている箇所もありますよ。





これまでに『徒然草』、『百人一首』、『伝 嵯峨本源氏物語』を公開してきましたが、毎回、多くの方にご好評を頂いております ( *´艸`)♡ くれぐれもこの機会をお見逃しなく~

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