文芸の秋ということで……

皆さまこんにちは! 
 
 
さて本当に突然ですが、昨日より歌舞伎座にて『芸術祭十月大歌舞伎』が始まりました。 
 
今回は、三代目中村橋之助さんを筆頭に三人のお子さんの四人同時襲名!! 
大変華やかな公演であるうえに、演目も人気のあるもののため、 
私が気づいた時には残っているのはもう一番高いお席ばかりの状態でありました…。なんてこった……。 
 
昼夜二公演なのですが、夜の部の演目の中に「一谷嫩軍記」の三段目、「熊谷陣屋」が上演されます。
なかなか有名な作品なので知っている方も多いのではないかと思うのですが、 
実はわたくしこの演目が大好きなのです・・・。 
主人公熊谷直実が敵である平敦盛を助けるために 
息子である小次郎を身代わりにする。 
という内容なのですが、もうこの大変簡単な説明からでも涙があふれて止まらなくなりそうです。 
 
 
 
さて、なぜ歌舞伎の話を持ち出したのかと言いますと、現在開催中の本の中の江戸美術展で展示中の作品に、歌舞伎に関係するものがいくつかあるのです。 
 
その一つがこちら。 
『芝居狂言舞台顔見世大浮絵』です。 
   
 
 
この作品は1745年11月の顔見世の様子を描いたものです。 
江戸三座と呼ばれる歌舞伎上演を許可された芝居小屋で、これから一年間舞台に上がる役者を披露する興行の事を顔見世と言います。顔見世は毎年11月の一大イベントでした。 
この作品には市川海老蔵が描かれています。 
実はこれ、西洋画の遠近法を取り入れているのです!奥行き感がしっかり感じられます。 
 
 
さらにこちら。 
『四代目松本幸四郎の信濃の浅間左衛門と四代目岩井半四郎の富士娘梅かへ』です。 
     


こちらは1781年11月の顔見世で演じられた『むかし男雪雛形』に取材した作品です。 
右が幸四郎、左が半四郎です。 
それぞれ胸から上がアップで描かれていますがこのような構図の浮世絵を「大首絵」と言いますね。 
なんとこの作品、現存が東洋文庫でしか確認できない作品なのです!!!!! 
  なんと貴重!!!なんと貴重な!!!!! 
 
東洋文庫にきて、江戸の人々が楽しんだ歌舞伎の世界にぜひ、触れてみてはいかがでしょうか?(^◇^) 
 
 
 

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