今日は、今回展示中の作品から2F名品室に展示されている国宝『古文尚書』についてご紹介したいと思います。
本作品は唐代初期(7世紀前半)に書写された日本最古の『尚書』の写本です。
孔子が編纂したとされる書物であり、儒教の最も重要な経典「五経」の一つで、
『書』・『書経』とも呼ばれています。
儒教弾圧のための焚書坑儒により、一時散失しましたが、
漢代で『今文尚書』と『古文尚書』の二種類の『尚書』が登場します。
『古文尚書』は、前漢の景帝時に孔子の旧宅の壁中から発見されたもので、『今文尚書』より16篇多く、
戦国時代の古い文字で書かれていたため、そのような名前で呼ばれています。
東洋文庫の名品のひとつである本作品の実物を、是非ご覧にいらしてください。