ああ、何てことだヒンデンブルクと同じ…どうもこんにちは!
東洋文庫の閲覧室で近代植物学の大家である牧野富太郎の書籍を閲覧していたら
まえがきの文章がごっそり黒塗りされていました。
よく見ると木目状になっていて、版画の要領で紙の上に擦りつけられたようになっておりました。
いつも、現在展示中の『名所江戸百景』の浮世絵に残る木目の跡を見どころの一つとして
ご案内しておるわけですが、時代が変われば木目の跡なんてものもだいぶ訳あり、あるいは
きな臭さを立ち込めさせてゆくようです。
少し前に、ある図書館で戦前に文章の削除や発禁になった書籍の展示会が開催されたことが
ございまして、時代の経過とともに言葉にバイヤスがかかるのに加えそういった事で
当時の言葉がかき消されてゆく様を見せつけられましたが、脆いですね、言葉は。
林芙美子の戦前刊行の『放浪記』を読もうとしたら〇だらけでいまいち、内容が入ってこない事が
ありましたが、他にも赤文字で「極秘」だとか「秘」と捺されているものを
色々見て来ましたが、嘘と誤魔化しが非常に多弁である事だけはよく分かったのが色々見てきて悟った所
かもしれません。
ちなみに先に紹介した書籍は閲覧室で本物をご覧いただけるので、よかったらご覧ください