喫茶店にて


どこかの喫茶店の会話

学生「この地域に何か戦時中のお話しなどは遺っていますか?」

マスター「この辺りは外国人村が湖のあたりにあるからねえ。」

学生「そうですか。」

常連のお客「フォルスターの話は?」

マスター「ああ、そんなんあったねえ。」

学生「え、何ですか?」

マスター「フォルスターってドイツ人。」

学生「え、フォルスターですか?」

常連「そうそう、フォルスター。」

学生「いえ、ぜんぜん知らないです。」

マスター「戦争中にフォルスターってドイツ人の富豪がドイツから逃げてきてね。

駅から大名行列みたいにして

貨物車もいっぱい来て、それはけっきょく武器を造る機械だったみたいなんだけれど

すごかったらしいよ。」

常連「なんか、ネットにも少しその話が出てるのかなあ?」

学生「へえ!そうですか。」

マスター「そんで話はそこからでね、彼がまるっきり持てるだけのものを持って逃げてきたらしいんだよ、

ドイツから。」

学生「いや、日本にわざわざ。」

マスター「そんでねえ、その避難してきた例の大名行列ね、その時に当時××××(金額)ぐらいの宝石類の

入った大きな棚、たぶん調度品いれたりするやつ、それがごっそり行方不明になってるんだよ。」

常連「戦時中のことだから新聞沙汰にもなってないんだけれどもね。」

マスター「この辺りの人でね、その大きな棚は、××××集落の林の中の木の上に持ち上げて隠さ

れてて、俺はその場所を知ってるっておじいちゃんが来てたんだけど

最近来ないねえ?」

常連「どうしたんだろうね?」

二年ほど前に史料調査で訪れた町で実際に聞いたお話し。

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