いよいよムセイオンの泉にも薄氷が…リクルートでございます。
この寒さの中であればこそ、ハワイ展にて気持ちだけでも
南国気分になっていただけたらと思います。
ハワイ諸島の歴史時代の到来はキャプテンクック率いる船団が
新たな航路を求めて太平洋を探索中に偶然にも発見したわけで
ございます。
企画展示の一番最初に展示されるのは、キャプテンクックの航海記です。
クックはこの未知の諸島で様々な経験をすることになります。
現地民はクックらの船に興味津々で小型の船が沖に漕ぎ出してきます。
手持ちの所持品を、彼らに渡すと彼らも又食べ物などを返すといった
やり取りをなんどもしたそうです。
だんだんと船に上がってくるハワイ人の階級が上がってゆくことが
その装束からわかりました。
そんなあるとき、船を訪ねてやってきたものの護衛の中に
錆びてボロボロになった鉄を装備しているハワイ人がいることに気づきます。
ハワイ諸島には鉄の精製技術はありません。
この時船員らは、自分たち以前にだれかがこの諸島を発見していると
いうことを知るのですが、クックの探索までハワイ諸島はまったく
知られていませんでした。
ハワイ人が、クック達から一番欲しがったものがこの「鉄」でした。
ただしこの後やってくるヨーロッパ人によって、
島内での「鉄」の価値が大幅に下落し、与えると船に投げ返してくるように
なっていったとか。
斧一本で子豚、斧二本で親豚だったらしいですね。
彼らが太平洋上で発見したこの南国の楽園。
ハワイ語に不慣れなクック達は、現地人とちょっとした
意思疎通に「アロハ」という現地語を見出します。
なんでも企画展に展示されているハワイ語辞書には
様々な感情をこの一単語で表現できるようで、
現地の子どもをからかうときや、物々交換のときの軽いあいさつ代わり、
現地人の女性と砂浜で景色を眺めながらふとした瞬間に、と
さまざまに、使われていたそうです。
そのつかの間の「バカンス」は突然に終わりを告げてゆきます。
クック達は燃料の調達のため、陸上におりて燃やすための「薪」を
探しに行くのですが、何を思ったかハワイ人が信仰していた神殿の
柵を引き抜いて薪にしてしまいました。
さらには信仰対象になっていた偶像も破壊してしまい、
狭い島内にあっという間にその一件が衝撃とともに駆け巡ります。
この一件以降、ハワイ人とのトラブルが目に見えて頻発してゆきます。
いままで船の周りにたくさん来ていた小舟がピタッと来なくなり
島内には、不気味な沈黙。
そして何かと船内の物がなくなってゆきます。
ある時事件は起こりました。
クックの船に積んでいた小舟がハワイ人によって略奪されたのです。
騒ぎを聞きつけ甲板に出た時にはすでに島の方へ漕ぎ出された後の祭り。
これに激怒したクック達は大胆にもハワイの王様を誘拐しようと計画し、
そして実行に移してしまったのです。
そろそろ海岸が見え始めるかという頃に、
沖に停泊中の船は完全武装で湾の封鎖をしていたのですが、
近づいてきたハワイ人を一人殺害してしまいました。
王様のお付きのものが走り寄って何事か耳打ちをすると周りの表情が一気に
硬化しクックの一団に襲い掛かってきたのです。
応戦しつつ海岸まで出た一行はひたすら船を目指して走り続け
砂浜の砂を蹴り上げながら猛然と迫ってくるハワイ人。
何百とも知れぬ人々が追いかけてくる恐怖は想像するに余りあるほど…。
銃撃しながらひたすら船を目指し走りつづけ、息が切れ遠巻きに一人這い上がり
二人這い上がりが見え、汗に砂にまみれながら
振り返ると。
続きは航海記で!