クリムトって、いいよねー!

今週の水曜日に修士論文の口頭試問から開放されたつよぽん…
昨日は丸一日、映画鑑賞に費やしました…

つよぽんのイチオシ★は、『黄金のアデーレ 名画の帰還』です。

はい、お分かりの通り、今回は東洋文庫ミュージアムと関係のない…私的ブログになります…あ、でも、美術作品や美術館の…そう、かの有名なグスタフ・クリムトの絵画をめぐるお話です…。

この《黄金のアデーレ》は、《接吻》などで有名なクリムトによる作品です。
作成されたのは、1907年。第一次世界大戦よりも前のことです。 <
>この絵のモデルは、ウィーンの砂糖王として成功し、クリムトのパトロンでもあったフェルディナント・ブロッホ=バウアーの妻、アデーレです。

時は経ち、アデーレは夫のフェルディナントより先に亡くなります。
そして、1838年にオーストリアはナチスに併合され、ユダヤ系であったフェルディナントはスイスに亡命しますが、彼の莫大な資産はナチスに没収それます。そのなかには、《黄金のアデーレ》も含まれていました。

更に時は経ち、1998年のロサンゼルス…(実は映画はここから始まります!)
アデーレの姪のマリアが本作品の主人公!やっと登場!
彼女も過去にナチスに追われてアメリカへ亡命した一人です。
なんやかんやあり、当時オーストリアのベルヴェデーレ美術館あった《黄金のアデーレ》の所有権がマリアにあると判明し、返還に動き始めます。

詳細は映画をぜひ!ということなのですが、要するに、ユダヤ人損害賠償がテーマとなっています。今回は、とあるテレビ番組で観たのですが、そこに出演していた方の感想が非常に感慨深かったのです…!!

「美術作品は人に力を与える、しかし、美術作品は自身を守るすべをもたない」

ふ、ふかいい~!!
(と、思ったのは私だけでしょうか!?)

現在、こうしてミュージアムで働いておりますが、改めて博物館や美術館について考えさせられました。もちろん、この映画はそれだけではなく、ユダヤ人、ナチス、家族といった様々な問題が取り上げられています。

とにかく…もう…むっちゃ…いいです…!!

そして、最後にネタバレと驚きの発見ですが、結局この《黄金のアデーレ》は、マリアの手に渡った後、マリアの古い知人エスティの息子のロナルド・ローダーにより買収されました。
すなわち、マリアの古い知人エスティ・ローダー…
おや、もしやあの化粧品会社…!?
そう、あの化粧品会社は、そんな繋がりが!

やっぱり歴史って奥が深いー!!
という、映画感想文でした!

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