ボース、日本のカレーに不快感


この雪の降り方...サムい。

本日もたくさんの方のご来館誠にありがとうございます!リクルートでございます!

文京区で最もほどよい暖房加減のミュージアムへお越しいただくと

この冬の沈みがちな体力、気力共にもとに戻る!気がします。

もしくはモリソン書庫がCDジャケットになっているやなぎなぎさんのベストアルバム『LIBRARY』と『MUSEUM』を聴きつつ過ごすも一興かと。

インドへ行きたい、でも行きたくない、やっぱり行きたい。そんな方は東洋文庫ミュージアムのインド展をご覧くださいませ!



これでもはやインドへ行ったのと同義!圧倒的インドの文化!歴史!多様性!叡智!

サブタイトルカレー展と銘打ちまして、何かインド展に関する話題をお送りいたします。

そうですねえ、あっ!!グルメを自認しているそこのあなた!

昭和の作家で子母澤寛の『味覚極楽』をもうお読みになられましたか?

幕末好きな方々はよーくご存じだと思いますが、新選組の生き残りに聞き取りなどして纏めた『新選組始末記』が代表作です。

さて!『味覚極楽』は子母澤が戦前の政治家や軍人、俳優、実業家などから食べ物にまつわる話を集めて執筆したもので、各話興味深い内容となっております。

『味覚極楽』には六義園の主であった柳澤の子孫の柳澤安恵や

駒込にゆかりの「文才提督」で知られた小笠原長生などへインタビューしている文章がありますけれども、

ミュージアムに展示中の『アジアのめざめ』の著者の一人ビハリ・ボースも

子母澤に食べ物に関する話をインタビューされ、本の中に「インド志士 ボース氏の話」として出てまいります。

イギリス支配下のインド独立を胸に抱き日本へ亡命したボースは、潜伏先の新宿中村屋のインド式カリーを考案したことで知られますが、

子母澤にボースが話す内容はやっぱりカレーの話で、

日本のカレーは酷いものが多くてとても食べれない、帝国ホテルのがギリギリ食べれるな、と本来のカレーとはなにかという熱い語りがつづられています。

子母澤は中村屋に電話をかけてボースに取材を申しこむのですが、電話口に出たボースがまずはカレーを食べて頂きたいと数日後ボース手製のカレーをごちそうされるのが今ではすごく豪華!

というか、ボースが電話口で日本語話してる光景が不思議な光景に思えてきます。

カレーの用意があるから数日したら中村屋に来るように伝えられます。

数日後のボース曰くカレー作る時はバターが大事なのと魚も肉も骨ごと

煮込まないと本当の旨味がでないという事で、さすが犬養毅等政界の大物の舌をうならせるだけの腕前。

本物のカレーは甘味の後に辛さが来るようで、

子母澤が食べたのはまさにそれで、
取材後も中村屋に食べに何度か行くんですがボースが食べさせてくれたものと

味が違ってちっとも美味
しくなかったそうで、中村屋でボースにそのことを伝えると

このどはもう少し時間をくれたらもっと美味しいカレーを振る舞うと

ボースから言われたのですが、そこまでして食べたいと思わなかったため

そのままにしていたらボースも死んでしまって食べれずじまいだったそうで

本当にもったいない!!

戦前戦中がインドと日本が一番密接に関わった時期とも言われていますが、

近現代史には軍靴の音と硝煙の匂い意外の歴史もございますので、

ぜひぜひ自由にそこをつまみ食いしていくと端くれでなく、大きく何かが見えてくるかも。

インドの叡智展!明日も午前10時より開催!三菱一号館、静嘉堂文庫美術館の半券ご提示で東洋文庫ミュージアムの入館料が200円引きになります!

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