めくるめく蔵書票の世界

みなさんご無沙汰しております、MAのカフェラテです!

先日、ミュージアムショップでこちらの品を購入しました。



こちらのしおり、みなさん何が元になっているかご存じでしょうか?
実はこちらモリソンの蔵書に挟まれていた蔵書票のデザインをそのまましおりにしたものなんです!
蔵書印は知っていても、蔵書票は馴染みがないという方が多いと思います。


蔵書票とは、本の所有者の名前が記された小票のことで、蔵書の表紙や見返しなどに貼り付けて使用されます。
通常、蔵書票には本の所有者の名前とラテン語で「~の蔵書より」との意味を表す“EX LIBRIS”との文字が記されています。

蔵書票は15世紀ドイツにおいて活版印刷の発明により、本の大量生産が可能になったことによって誕生しました。(余談ですが先日「想像の共同体」を読み直していて、活版印刷の発明は人類にとっての偉大な一歩だったのだなと改めて痛感しました。)
蔵書票の使用は西欧においてのみ見受けられ、日本では従来、蔵書印が使われてきましたが、そんな日本においても明治期に紹介されると、有名な版画家や竹久夢二をはじめとする芸術家によって蔵書票の作成が行われるようになります。
現在では本の所有者を示すという本来の役割よりも、その美的価値からもっぱらコレクターの間で収集されているようです。

描かれた図柄のデザインの多くは紋章や肖像など、所蔵者にゆかりのあるシンボルやモチーフが好んで使われました。
実際、モリソンの蔵書票をみてみると、大草原にカンガルーやエミューがあしらわれており、モリソンの故郷であるオーストラリアの雄大な自然が描かれています。

モリソンの蔵書票しおりはミュージアムショップにて380円で販売しております。
当館においでになった際にはおみやげとしていかがでしょうか?

参考Webサイト
「蔵書票の世界」http://exl-suehiro.sakura.ne.jp/exlibris.html 
「蔵書票って何?」http://doumuhanga.jp/exlibris/basic.html

最近のブログ記事