MODERN ASIAN STUDIES REVIEW Vol.5 新たなアジア研究に向けて5号
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差も縮小傾向になった反面、都市と農村との教育格差が依然大きく、改善の度合いもかなり小さいと挙げられる。中国計画経済の実態丸川知雄(東洋文庫研究員・東京大学教授) 毛沢東時期の主要工業製品や商品の省内外の流出入に注目して、地方政府による主要商品の増産動機は何か。その理由を1970年の体制改革によって、分権化が地方政府の工業投資および生産拡大の動機につながるほか、より多くの実物(商品)を現地の都市住民に分配するインセンティブも働いたと解釈できる。歴史的観点から見た計画経済期の中国財政加島潤(横浜国大教授) 清朝から民国期、計画経済期、改革開放期までの国家財政の構造とその特徴をそれぞれ明らかにした。その結果、計画経済期の財政制度は国家統一の財政制度の基礎を固めたという意味では評価できるものの、近代財政における中央と地方の財政関係の樹立を遅らせたというネガティブな側面見られる。官僚のインセンティブと大飢饉周黎安(北京大学教授) 「集権体制」は、1958–1961年に起きた史上最も悲惨な大飢饉がなぜ起きたか、その原因を中国特有の官僚制度によってもたされたこと実証する。集権体制の下で、毛沢東の急進主義や絶大な権威、そして毛沢東に迎合する官僚たちによって、1958年にすでに起きた大飢饉という事実報告を毛沢東への報告を遅らせた。(文責:唐 成)096MODERN ASIAN STUDIES REVIEW Vol.5

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