MODERN ASIAN STUDIES REVIEW Vol.5 新たなアジア研究に向けて5号
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現代中国研究班[経済]日 時:2014 年2月10日場 所:東洋文庫1949‒1976年の中国経済をどう評価するか茅于軾(天則経済研究所研究員) 計画経済の下で均衡価格は存在しておらず、この時期のGDPは正確に算出することはできない。1949–1954年の中国経済は毛沢東時代において唯一経済発展のあった時期である。1955年以降、農業合作化を始め、工業、農業、建築業、商業などほぼあらゆる側面において、中国経済は衰退の途を辿っていた。その最大の理由は計画経済と公有制を選択したことにほかないない。また、毛沢東の個人主義や階級闘争も中国の経済発展の深刻な妨げとなっていた。改革前中国経済モデルの実績とその『放棄可能性』問題秦 暉(清華大学教授) 計画経済期のパフォーマンスを旧ソ連、インド、平和期の民国期など多面的な歴史、国際比較を行った結果、毛沢東時代の中国経済は必ずしも大きな成果が挙げられなかった。しかし、唯一例外な貢献があったとすれば、それは毛沢東時代を戦乱から平和期に取り戻したことであると評価できる。 計画経済期の技術発展にかんする一考察―小型アンモニア生産技術を例として峰 毅(東京大学教授) 第二次大戦後における世界の化学肥料の技術は大型化規模の生産傾向にあったものの、中国は中型の化学工場の生産建設能力を持ちながら、結果的に建設期間が短く、投入資金も少ない小型化学工場を発展させた。しかし、1972年以降の中国は西側諸国から設備導入によって、大型生産ができるようになり、中国の生産技術が大きな進歩を遂げた。現代中国の教育発展、教育格差とその内在メカニズム―CHIPデータに基づく実証分析厳善平(東洋文庫研究員・同志社大学教授) CHIPデータベースを用いて、現代中国の教育発展過程を農村住民と都市部住民に分けて統計的に明らかにした。その特徴として、①文化大革命以前の17年間は教育の発展が速く、同世代の教育格差も縮小したが、文化大革命期間において、教育水準が停滞したままであった。②改革以降の教育水準が上昇し、同世代の格国際ワークショップ「毛沢東時代の経済制度と政策の評価」ArticlesConferences& LecturesResearchActivities095

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