ごあいさつ

理事長から


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Profile

畔柳信雄 くろやなぎ のぶお
(1941年―)東京大学経済学部卒業。三菱東京UFJ銀行の初代頭取、三菱UFJ銀行名誉顧問。2011年から15年にかけて日本経済団体連合会副会長。2021年旭日大綬章。サッカー選手として国民体育大会に出場した経験があり、日本テニス協会会長を務めるなど、スポーツ分野での活躍も知られる。2021年から東洋文庫にて現職。

岩崎久彌が創立した東洋文庫は、しだれ桜や紅葉が見事な六義園のほど近くにあります。
久彌は近代産業の育成に携わるかたわら、文化・学術事業にも深い関心を示しました。愛書家としての趣味に留まらず、専門家の助言を受け、学術的・文化的な重要性を意識して日本・中国・朝鮮の古典籍を収集する他、モリソン文庫を核として、欧米の言語で書かれたアジアに関する資料・研究所も精力的に収集しました。そして、これら図書資料を公開して学術研究に資するため、1924年(大正13年)、東洋文庫を設立しました。また、その理念に共鳴した方々による蔵書の相次ぐ寄贈によって、東洋文庫は東洋学の研究図書館として今日わが国最大で世界屈指の規模となりました。

2011年には、本館の建て替えを機に、新たにミュージアムを設け、お子様からシニアまで幅広い年齢層の皆様に、東洋学の世界に興味を持って頂くきっかけとなるべく普及活動にも努めております。

2024年には創立100周年を迎えることとなり、今後の100年を見据え蔵書のデジタル化や普及事業により一層努めてまいります。皆様のご来館をお待ちしております。

公益財団法人東洋文庫
理事長
畔柳 信雄

文庫長から


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Profile

斯波義信 しば よしのぶ
(1930年―)東京大学名誉教授、大阪大学名誉教授。専門は宋代の商業史、華僑・華人研究など。1992年アメリカ歴史学会終身名誉会員、2003年日本学士院会員、2004年瑞宝重光章、2006年文化功労者、2017年文化勲章、2018年唐奨[漢学賞]。主な著書に『宋代商業史研究』(1968年)、『華僑』(1995年)。2009年から東洋文庫にて現職。

「文庫」とはコレクションを指し、特定の書籍を集めた収集やその図書館のことを指します。東洋文庫は東洋学のためのコレクションと日中韓の古典籍文化財のコレクションの二つを中心としております。ユーラシア世界のうち、西欧世界を除く東半部の歴史と文化の発展を日本の視点で解明する為に、基本となる資料(史料)を集めて研究する研究図書館です。

1869年(明治2年)、「開国」とともに国際関係に目を配り、科学的・客観的に進化発展を説く近代的歷史研究が求められ、その流れの中で東洋文庫は設立されました。研究対象や史料の収集は東北アジアから北アジア、中央アジア、西アジア、中国、チベット、インド、東南アジアへと広がりました。

蔵書は設立当初の数万冊から100万冊に増え、成果は欧文や和文の論叢・紀要として海外に伝わり、東洋学研究においては世界有数の研究図書館の一つとして知られるようになりました。研究・図書・ミュージアムの3本柱の事業は、全て公益の増進を目指した活動です。グローバル化、そして情報化のすすむ今日、東洋文庫に託された課題はますます大きくなっています。皆様のご理解とご支援をいっそう望んで止みません。

公益財団法人東洋文庫
文庫長
斯波 義信